むのきらんBlog

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軽減税率が筋悪な理由

軽減税率が筋悪である重要な理由は2つ。

1.政策目的である逆進性対策としてはコストがかかりすぎて、無駄だらけなこと。
筆者の主張する低所得者への現金給付のほうが遙かに優れている。絶対額ではなく、率でいえば低所得者に恩恵がある、という主張が前から見られるが、それは勘違い。
特定部分を1兆円減税するということは、1兆円の補助金を出すことと同じだ。その大部分を低所得者以外に補助金を出すことに使うという政策に賛成するということだ。

 

2.自由経済の良さを歪める政策であること。
食品を軽減課税にするということは、ユニクロが贅沢品で、松阪牛が生活必需品、ということで、ユニクロ購入で取った税を松坂牛への補助金にすることと同じ。経済学的には「死荷重」が増える、ということ。
また、たとえば外食を止めて、家で食事することに補助金を出すことでもある。一般に忙しい人は、外食比率が高いわけだが、そういう人を冷遇する制度である。

 

    ★★★

業者などの手間が大変という話しは、上記2点に比べれば、小さなポイントだ。とはいえもちろんそのコストは、消費者が負担するのだが。

 

本件は、外食、アルコールを除く食品全てを対象にすることが、事実上決まったので、いまさら何を言ってもゴマメの歯ぎしりだ。今後は、外食との線引きがどうなるかがポイントだろう。


具体的にはテイクアウト、フードコートなどセルフサービスはどう扱うか、ということ。

もしもセルフサービスは軽減税率、ということならば、サービス業従事者は怒るべきだ。政府は「サービス」を「贅沢品」と認定することになるからだ。テーブルが汚れたままの店を推奨することになる。「おもてなしの国ニッポン」に逆行する。

 

欧米では、一度に買うハンバーガーの数や、加熱の有無などで線引きしているようだが、ナンセンスだ。

 

軽減税率の「軽減」という甘い言葉に惑わされてはならない。 「補助金」と考えると、その非効率性が理解できるだろう。

 

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