むのきらんBlog

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横浜マンション杭打ち問題を整理する

横浜のマンション問題で、いろいろな意見が飛び交っている。各社の発表もマチマチで、責任を押しつけ合っているようにも見える。確かに関係者の責任の押しつけ合いは格好良くない。だが黙って責任を一切かぶれば良いということでもなかろう。本件は複雑だ。それを理解する努力が不可欠だ。以下、整理する。

 

1.購入者への一義的な責任は販売者の三井不動産レジ(以下三井レジ)。費用はそれぞれの責任度合いに応じて持つのが本来。三井レジに過失がなければ、建設会社が負担すべき。

 

2.建設会社が負担すべき額は未確定。三井レジが早々と全棟建替えを約束したわけだが、全額を建設会社が負担すべきかどうか。 実損害額は未確定で、かつ責任と過失の所在が未確定。全棟建替えは営業面を考慮した三井レジの判断であり全額が実損額とは断定できない。

 

3.横浜市は、問題ない杭だけで計算しても建物の安全性そのものには問題ないと発表している。

 

4.そもそも杭が届いているかどうか不確定。現場は届いたと主張。旭化成は調査を要求しているが拒否されている。建物の下なので正確な調査は困難だが。 杭長が足りないとしたら責任は杭仕様を決めた三井住友か、現場の旭化成かとなるわけだが、杭長が足りないのかどうかもハッキリしない。もう一つ杭固定用コンクリ不足の問題もあるが、置いておく。

 

5.もし足りないとして安全性にどれだけ影響するのかも不明確。明確なのは約10年で2センチずれたこと。(国の基準では許容範囲。しかも前述の横浜市の計算もある。)もう一つはデータ偽装の事実だけだ。

 

6.横浜市発表を前提とすると安全性そのものの問題ではないようだ。ルールどおり施工しなかった建築業者、過大な信頼性を謳った販売者が、購入者の信頼を裏切った事案である。

裁判になった場合、損害金は全棟建替え3百億より桁が少なくなるだろう。仮に700戸×1千万の価値減価として70億だ。 入居者の不安はわかるが、客観的に把握することが重要だ。

 

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