むのきらんBlog

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自由に考えよう

銃と殺人についての印象と現実

・銃とテロリズムはどちらが殺人の引き金か

・自衛のための武器所持

・米国の現実

・米国は危険な社会か

 

1.<銃とテロリズム、どちらが大量殺人を引き起こすのか>

・・・このままでは余り意味がない問いだ。動機と手段があるときに大量殺人が起きる。まず、そこを切り分けることが大切だ。動機という点では、大量殺人の動機を分析して、組織的テロとローンウルフ型に分けることは意味がある。

 

2.<米国民は、約半数が銃規制に反対だと主張しており、大きな銃乱射事件があるたびに、銃規制に反対だという意見が増える傾向にある。これは、「だからこそ自衛のために武器が必要だ」、という考え方だ。>

・・・感情としては理解できる。 民間人が銃を所持することは、特に大量殺人においては抑止力にはなっていないだろう。米国での殺人の多くは大量殺人ではなく日常の殺人だ。その半数は顔見知りだ。そこに銃器は大きな役割を果たしている。

 

3.米国には3億丁の銃器がある。つまり平均して一人一丁銃器が蔓延している社会だ。それは日本の我々には想像しにくい。あえて想像すると、自衛のために自分も持ちたい気持に私もなるかもと思う。まして米国は広い。警察が到着するまで犯罪者は待ってくれない、と思えばなおさら。

個人が銃で敵と戦う映画は昔も今も多い。そのマインドセットが米国だろう。職業的犯罪者は別として、自らが正義であり、相手を敵ととらえ、発砲するのだ。

 

4.米国が並外れて危険な社会だとか、重大犯罪が増加、という印象はどうやら誤りだ。米国人自身もそう認識しているようだが。

図録▽他殺率の推移(国際比較)

これを見ると、人口当りの他殺率では中レベル国であり、近年は趨勢的に減少傾向だ。 そして繰り返しになるが、米国での殺人に占める大量殺人のシェアは低い。小さな殺人が圧倒的多数。大量殺人事件は大きく報道されるので、逆に見えるだけだ。

 

5.さて対策だが、大量殺人か殺人一般か、どちらに焦点を当てるかで答えは変わってくる。前者なら大量殺人に適した道具であるコンバットライフルなどを規制するのが有効だ。NYTの主張もそれだ。