なでしこジャパンが五輪予選で敗北を重ね、リオ五輪出場は絶望的となった。オーストラリアに敗れ、韓国と引き分け、中国に敗れ、通算勝ち点1という悲惨な状況だ。
なでしこは弱くなったのか。
（目次）
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なでしこは弱くなったのか
これまでのなでしこはどうか。強敵の力を100として、なでしこ80のところを、120を出して、強敵に食らいつき、勝ってきた。 しかし今は、なでしこが100、相手が110。本番でもその差のままであった。
アジアの、そして世界の女子サッカーのレベルが上がったのだ。過去は平均80として、今は100。プラス20。
なでしこは、80プラス10で90といったところではないか。
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日本軍 となでしこ
そう考えると、旧日本軍と、なでしこには類似点がある。
日露戦争では、日露それぞれの全体の戦力総量、経済力総量では、劣勢であった。しかしそれを直視し、政戦略一体となった統合的な作戦指導のもと、陸上海上のそれぞれの戦場で局地的な優勢を創り出し、また猛訓練や巧みな戦術もあいまって、勝利を収めた。
日露戦争での勝利が日本軍にとっての「神話」となった。
劣勢であっても、精神力と戦術でなんとかなる、なんとかする、という「戦闘教義」を導いてしまったのだ。
ゼロ戦もそうだ。防御力を捨てて、挌闘戦能力と航続力を取った、という判断自体は、その局面では、やむを得ない面がある。しかし、本質的には、それは短期的、一時的な優勢を創り出すための便法に過ぎない。ゼロ戦の要求仕様そのものに無理があるのだ。
今回の３つの試合で、プレスを受け、離したボールをカットされボールを奪われ反撃されるなでしこたちの姿は、先の大戦の中盤以降、ゼロ戦を研究し格段に力を増した敵の新型機にばたばたと撃ち落とされるゼロ戦の姿がダブって見えた。
しかも、大戦初期に活躍した熟練の搭乗員達は、中盤に至るまでに、大部分が戦死していたのだ。
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山本五十六と山本監督
共に、与えられた戦力で、できる策を実行したに過ぎない。両者とも、神の如く持ち上げられ、山本五十六はやがて暗号を読まれた乗機が撃墜される。
次のエントリーは、なかなか読ませるが要するに、山本監督の選手起用ミスである、と評している。 そうかもしれない。が、私は、それは表面的な問題に過ぎない、と考える。いつも山本監督の采配が敵監督の采配を上回ることはありえないからだ。
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女子サッカーも局地戦から総力戦へ
成熟した大国、GDP世界３位の大国である日本は、いつまでも「ゼロ戦」ではいけなかった。新興サッカー国が、一発勝負の局地戦で来るのに対して、日本は実力を上げ、１２０の状態を平常のものとしておかねばならなかった。それは、なでしこたちや山本監督の問題ではない。
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フィギュアと なでしこ
それも大昔から強かったのではない。長らく、日本は胴長短足、バレエの伝統もない、だからダメなのだ、と言われてきた。たまに活躍する選手がいても、単発で終わってきた。
それを、着々と地力を蓄え、今や分厚い選手層と次を狙う予備軍を持つ、いわばアメリカ軍のような（というと言い過ぎかもしれないが）、総合力を持つに至った。
なでしこは、女子サッカーの裾野も広がり、注目度もあがったとは思う。しかし、他所はそれ以上であったのだ。
したがって、なでしこの総合的な「敗因分析」を行うためには、フィギュアスケートの勝因分析と比較することが不可欠だ。それこそが、これからの「なでしこ」への途だ。
監督を変えれば済む話しではない。
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美人の法則
余談であるが、「美人の法則」（美男の法則）みたなものもある。今回女子サッカーの五輪予選では、中国、韓国など、アジアの選手に美人が目立つ。
美人が美人を売り物にせず、サッカーで勝負する、ということは、サッカーがそれだけその社会で魅力的だ、ということを意味する。なでしこの美人度は、昔も今も同じ程度だ。（昔も美人がいたし、今も美人もいる、ということ。）
また、サッカーの注目度が増して、美人+サッカー選手であることが、キャリアプランとして確立していく、という面もあろうだろう。
これも、日本が足踏みしている間に、他国の地力が上がったことの証左と言えるのではないだろうか。
「美人の法則」は、CA（キャビンアテンダント）のケースでは、経済力が増して、女性の社会進出が増えると、CAの美人度が下がることが観測される。CAが若い女性が輝ける唯一の職場ではなくなる、ということ。そのかわり、成熟した美人が増えるケースはあるが。これは、サッカーの場合と表裏一体だ。
