むのきらんBlog

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カナダガン国内根絶成功の意味


一旦野生化した外来生物の排除は極めて困難ですので、本件は関係者の努力が実った喜ばしいニュースです。

 

 <ガチョウとの交雑や農作物への食害が確認された。>

・・・と記載されていますが、記事は若干誤解されなねないと思うので、補足します。

 

日本野鳥の会 : カナダガンの特定飼養施設等の基準についてのパブリックコメントに 意見を提出しました

シジュウカラガン(Branta hutchinsii)などのガン類との交雑や、農業・生態系への被害が懸念されることから、特定外来生物に指定されました。>

・・・ということです。 ガチョウとの交雑もあるのかもしれませんが、ガチョウはそもそも外来種です。生態系への影響という意味では、在来種であるシジュウカラガンなどとの交雑がより強く懸念されるわけです。

 

 本件の特定外来生物カナダガン(Branta canadensis)で、日本で野生化し問題となっていたのは亜種の一つであるオオカナダガン(Branta canadensis moffiti)とみられます。

 

 シジュウカラガン(Branta hutchinsii)は、従来カナダガン(Branta canadensis)の亜種の一つとされていましたが、今は別種となりました。しかし、近縁種であるため、交雑の懸念が大きいのです。シジュウカラガンの日本での越冬は一時途絶えましたが、関係者の努力によて1000羽以上が飛来し越冬するまでに回復しています。今でも生息基盤が脆弱なので、保護が必要です。

2015年12月08日 15:39