ハラールとは何か、ハラールにも2種類ある、というのがよく分るエントリーでした。
1.他国でハラールでない食事を出された場合については、イスラム主流は「やむなし」ということですが、宗派によってはダメ、というところもあるようです。前者にとっても、当然ハラール食のほうが、うれしいわけですが。もちろん10万人ほどおられる日本在留のモスリム全てが厳格にハラール食のみを採っているわけではありませんし。
仏教徒、キリスト教徒も、宗派がいろいろあるし、いろいろな人がいるように、イスラムもそれなりに多様なのでしょうね。
*****
2.ところで、こういう議論でよくあるコメント「郷に入っては郷に従え」(それがいやな人は来なくていい)は、一理ありますが、絶対的な規範であるべきではありません。たとえば異教の宗教施設に入った場合は、少なくともそこのルールには従うべきです。一方、「郷に来た人は郷の規範に従うのが当たり前」「従わせるべき」というのは少し偏狭な見方であり、寛容の精神、おもてなしの精神とは異なります。
「郷の文化」を守り育てることと、他の文化に寛容であることは、基本的には両立させるべきものです。これは、「愛郷心」「愛国心」の議論とも似ています。
たとえば最近は減ったかもですが海外旅行に梅干しを持っていく人がいます。それが外国の空港で、文化的理由により没収されたらどうでしょうか。寛容性や文化の多様性へのリスペクト、とは、そういうことです。 もちろん、この議論は逆のケースでも当てはまります。イスラム教支配の国でのアルコールの扱いの問題はこれに似ています。その寛容度合いも国によって異なりますが。