むのきらんBlog

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自由に考えよう

自動運転になると「マイカー」がなくなる?

・自動運転になるとマイカーはいらなくなるのか

・現状からみるか、未来から見るか

・自動車は実用品か、嗜好品か

・車を運転できない人への目

 

 

1.こういう問題は、現状から見るか、未来を見るか、という着眼点によって大きく見えるものが変わる。現状を見ること自体は必要なのだが、現状を見るならば、過去からみて現在はどう見えるか、という省察が不可欠なのだ。そして技術革新のスピードは上昇しつつあるのだ。過去には相当な時間をかけて起きた変化が、急激にやってくる時代になった。ウーバやairbnbがその一例だ。日本だけを見ていると、実感しずらいかもしれないが。

 

2.さて、筆者は、自動運転がレベル4の完成形に至れば、個人がマイカーを持つ時代は終わると主張している。これは十分にありうる未来だ。特に、都市への人口集積度が高い日本では、そうなりやすい条件がある。

 

3.もちろん、全ての人がそうなるわけではない。自動車所有そのものや、他人と共有物でないマイカーをいつでも好きなときに必ず乗れることに高い価値を見いだす人は、一定数残るだろう。それは贅沢品や嗜好品としてのクルマだ。

 

4.しかし実用品、コモデティとしてのクルマという側面では、一般に個人は所有しないほうが形態のほうが、「お得」なのだ (もちろん使用頻度、場所などの条件はあるが)。タクシーはいわば運転手とクルマをシェアする仕組みだが、こちらは人件費がかからないので安価なわけだ。清掃メンテナンスコストは一定額かかるが、それでも所有よりは遙かにローコストだろう。

 

5.さらに見落とせないのは、筆者の指摘するように、クルマを運転できない人、移動手段がない人の足になるという面だ。超高齢社会を迎える日本、労働力不足が心配される日本には、自動運転の必要性は高い。

 

6.もちろん、交通インフラなどの諸課題はある。しかしまずは我々がどのような未来を望むかが重要なのだ。楽しみな未来である。

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他の方のコメントへのコメント

前提としてレベル1~4に分けられることを押さえておきます。

munokilan.hatenablog.com


<自動運転だから、免許不要とはならないでしょう。 航空機が自動着陸できる現在ですが、そのためにより厳しい訓練がパイロットに要求されます。>

・・・それは、レベル3です。レベル4とは、いわば運転者でなく「客」(もしくは所有者)としてバックシートに乗っている、という状態です。 タクシーや旅客機の乗客にどのようなスキルを要求するか、という問いとなります。

 

空飛ぶキツネさん<自動運転の車で事故が起こった時は誰が責任を取るのでしょう? ドライバーは関係ないですよね?自動車メーカー?ソフトウェアメーカー? どうするつもりなのでしょうね。>

・・・それがまさに条約と法改正を巡って議論されているポイントですね。 レベル4では、基本的にはドライバーという概念はなくなります。 いわば、旅客機やタクシーの乗客と同じことになります。

 そういうものが事故を起こした場合、主に、メーカー、所有者、管理者(メンテナンスなど)の3つの責任が問われることになるわけです。 議論の焦点は、無過失責任を誰に負わせるかどうか、ということになるでしょう。過失が証明されればその人の責任になるのは当然ですが、誰も無過失でも事故はありうるわけです。

  ちなみに、建物の場合は「工作物責任」といって、関係者全員が無過失の場合でも、所有者が無過失責任を取ることが日本の法律です。クルマも日本ではそうなるのではないでしょうか。そうすると、個人が所有するならば、それを担保する保険加入が必須。もしくは、企業が所有するということになると想定します。

 

aninekoさん <東京の場合はもうすでに車持たずに「電車でGo」な選択してる人が多いわけだね。>

・・・そのとおりです。その一方で、東京でさえ、電車やバスなどの公共交通機関が利用しにくい地域もあるし、そういう人もいるわけです。公共交通機関は重要ですが、全ての交通をこれに頼ることも非現実的です。

そこに自動運転車が創り出す、新しいモビリティの未来があるわけですね。

ちなみに、自動運転車は、非接触型の自動充電とも整合的ですので、EV,PHVとの組み合わせも増えるでしょう。使わない時には、クルマが自分で充電スペースで充電してくれる、ということです。

 

yahoo user e168aさん<現行の自動を全て駆逐する必要が出てくるので、1世代以内にはちょっと無理じゃないかと思いました。> 

・・・そうですね。もちろん、レベル4に最適なのは、「整った交通環境」ですので、「レベル4専用道路」を設置できればそれが一番簡単です。(いわばですが、東京の新交通システムゆりかもめ」みたいなものです。)そういう訳にもいかないので、各種が混在した交通環境にどう適合させるか、が最大の課題となっているわけです。

「どこでもレベル4で通行可」というわけには一気にはいかないと思いますが、速度制限や「レベル4認証」のルート制限など、様々な手法が考えられていくでしょう。

「自動車」という自由なイメージとは別に、使用形態によりますが、割とパターン的な決まり切った経路を走る運転形態が、現実には意外に多いと思いますし。

いずれにしても、この手のことは、他の方が指摘するような裏道など、全ての難しい環境に適合できるか、という風にアプローチしないほうが、実現性が高くなります。丁度、ロボットが、環境が整った工場で導入され、順次一般の環境に入っていくようなものです。