むのきらんBlog

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自由に考えよう

映画「杉原 千畝 スギハラ チウネ」に感動する前に押さえておくこと

ユダヤ人に「命のビザ」を発給した話し。

・杉原氏は「日本の誇り」か

・映画的事実イコール歴史的事実という勘違い

・海軍良識派、陸軍悪者という勘違い

 

<「杉原 千畝 スギハラ チウネ」を観た。第2日世界大戦勃発時にリトアニア領事を務め、迫害されていたユダヤ人にヴィザを発給し、多くの人命(6千名以上と言われている)を救った杉原 千畝を主人公とした映画だ。>

 

ユダヤ人に対しての杉原千畝氏の行動は、今日的価値観でみると尊敬に値すると思います。 一方、描かれた個々の「映画的事実」を史実だと鵜呑みするのは非常に危険。上手い作品ほど、史実とフィクションを上手く混ぜるものなのです。

 

杉原氏を同朋の素晴らしい行為として、クローズアップすること、誇ることは結構です。その一方、「素晴らしくない行為」や「間違った判断」もまた多数あることを認識することも重要です。 あらためて言うまでもありませんが、三国同盟は大失敗でした。しかし、当時の日本は官民をほぼ挙げてそれを支持していたわけ。対米開戦も、です。

 

戦争の帰結について「負ける」と言っていた方がいたことは事実です。しかし、開戦反対が海軍の総意であったわけではありません。 しばしば陸軍悪者、海軍良識みたいに描かれますが、そうとも言えないのです。そして基本的には、対米戦争は「海軍の戦い」だったわけ。

 

反知性主義」については、この言葉自体、あんまり使うことに意味があるとは思いません。「勝てば官軍」みたいな論法になりがちですので。 なお、米国に流れる「反知性主義」の議論に限定して使うならば、なるほどなところがある言葉なのですが。