むのきらんBlog

むのきらんBlog

自由に考えよう

COP21のパリ協定は重要か

●COP21をどう受け止めるか

COP21の合意内容は、地球が直面する危機に比べ極めて不十分だが、合意しなかったよりは遙かにいい。なにより、200カ国近い国々がCO2などによる温暖化、気候変動を深刻なものと受け取り、平均気温上昇を1.5度に抑えることに挑戦すると宣言したことは重要だ。これを出発点にどう深化させていくかが各国に問われる。

 

温暖化は安全保障上の脅威だ。環境は諸活動の基盤であり、それが激変することは、水、食料、病気、災害その他のリスクを大きく増大させる。多数の被災民、難民を発生させ、また経済社会を混乱させ、政治的対立を激化させる。

 

●日本はどうすべきか

 日本はリーダーシップを取るべきだ。それが先進国であり大国である日本の発信すべき価値であり、責務だ。

その際、環境問題をイデオロギーの道具にしないことが重要だ。科学性と合理性、効率性に基づいて行わない限り危機は回避しえない。

たとえばマラリアエボラ出血熱のように有名でない「顧みられない熱帯病」には10億人が感染し、毎年50万人の死者が出ているという。これらが日本に上陸する可能性も大きい。その一つがデング熱だ。

 

再生エネルギーの開発活用は重要だが、それだけではCO2問題の解決にならないという「不都合な事実」に目を向けるべきだ。

 

一つはエネルギーミックスへのタブーなき冷静な議論だ。原発を除外しては、CO2ゼロエミッションは実現不可能だ。

もう一つは「炭素税」の本格導入。経済活動を阻害せず正しく導く優れた税だ。本来消費者が負担すべき外部不経済を内部化するからだ。 有効性と効率性が疑わしい個別施策に補助金を撒くより、遙かに効率性が高いことは経済学のコンセンサスである。

 

●「安心」よりまずは「安全」

心理的な「安心」を科学的な「安全」に優先させてはならない。主観的「安心」では物理的「安全」は全く担保されない。あとでそんなはずじゃなかった、と政府を批判しても無駄だ。客観的な「安全」を無視し、主観的な「安心」を追い求めているのは、我々日本国民なのだから。 もちろん「起きてしまうであろう危機」への備えもまた重要であることは言うまでもない。

 

***他のコメンターへのコメント

●「温暖化懐疑論」をどうとらえるか

 

 <日本は、「地球温暖化」で、一儲けしようとたくらんでいる連中の動きについても十分注意して、半歩程度引き気味に付いていけばいいでしょう。>

・・・申し訳ないが、典型的な陰謀論に「洗脳」されておられるようです。___ 確かに世の中に利権は常に存在します。それはもちろん再生可能エネルギーでも例外ではありません。 しかし、そのことと本件の否定とは別問題。温暖化否定論がなぜ陰謀論かといえば、膨大な議論に基づく圧倒的な科学界のコンセンサスを、検証されていない若干の異説でもって、否定していることだからです。 科学界でいろいろな説が出ることは当然で歓迎すべきことです。ここでいう「温暖化否定論」は学会ではなく、一般社会や政治の場での否定論です。

 

それはまるで、ほとんどの学者は間違っている、と主張することと同じです。 学者も間違うことがある。多数も間違うことがある。利権がうごめくことも当然ある。 しかし、少数だから正しい、というわけではありません。

 

もちろん「温暖化で一儲けたくらむ連中」もいるでしょう。一方、「温暖化否定で一儲けたくらむ連中」がいることも確実です。たとえば米国共和党の支持層です。その鏡の両面に公平に目配りしないことが、陰謀論たるゆえんです。