- 貧乏の原因は世帯人員が減ること
- どうしたらいいか
- 一緒に住むことはエコだ
- 親世代を産んだ人たちは今よりはるかに貧乏だった
- そんなはずはないだろう、という反論が当然あるだろう。
- 他人の価値観と自分の価値観、どちらに従うか
先日、貧乏脱出の必勝法「ルートの法則」というエントリーを書いた。
要約すると、収入(所得)100万円の一人暮らしよりも、同じ収入の2人が一緒に暮らすと、144万円に収入が激増したのと同じ効果がある。ということ。
効果は、もちろん暮らし方によりマチマチだが、目安として、平方根(ルート)で考えると分かりやすい、√2(ルート2)は、1.414。100万×√2は144万。という記事。
ところで「ルートの法則」は、さらに世間で余り言われない事実を教えてくれる。
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貧乏の原因は世帯人員が減ること
逆に、100万の収入の2人暮らしだった人が、それぞれ一人暮らしになるとどういうことになるか。100万÷√2=71万円の生活水準になる。
日本の世帯人口は減少している。それが貧乏の重大要因だ。
このグラフでは、1953年に5人だった世帯人口が、今や2.5人と半減していることを示している。
これを「ルートの法則」で計算すると。
物価上昇を除いた実質収入が仮に変らないと仮定する。
1953年に年収100万円で5人暮らしだった場合は。
世帯収入500万円÷√5=224万円。
2014年に年収100万円で2.5人暮らしだった場合は。
250万円÷√2.5=158万円。
生活水準の下落率は158万÷224万=70%。ということで3割減なのだ。
もちろん、このようなロングスパンでは、収入は増えているわけだが、いわんとするkとはおわかりだろう。グラフが示すとおり、世帯人口はどんどん減っている。
将来はどうか。将来推計も出ているこちらのデータでは、2035年は2.20と更に減ることが予想されている。
http://www.ipss.go.jp/pp-ajsetai/j/HPRJ2013/hhprj2013_PRS329.pdf
(厳密にいえば、上のグラフと下のデータでは、計算が若干異なるが、大枠で掴むことが大切だ。)
220万円÷√2.2=148万円。つまり、同じ所得ならば、今よりもさらに貧乏になるのだ。
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どうしたらいいか
処方箋は3つだ。
1つ目は、一人当りの所得を増やすこと。生産性向上である。
2つ目は、貧乏な人に再配分を集中させること。貧乏全体ではなく「相対的貧困層」に再配分を集中させれば、同じ配分原資ならば、当然に相対的貧困層は減る。
3つ目は、以前述べたように、一緒に住む、ということだ。伝統的な家族以外にも、シェアハウス、コレクティブハウジングなどの疑似家族的な多様な家族の形態が、貧乏脱出の早道だ。
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一緒に住むことはエコだ
そして、一緒に住むことは、エコだ。二酸化炭素などの排出量は、概ね、一人当りの消費額に比例する。したがって、一緒に住むと、より少ない排出量で、より高い生活水準を実現できるのだ。
一人暮らしは、エコ(経済的)ではく、エコ(地球に優しい)のでもない。
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親世代を産んだ人たちは今よりはるかに貧乏だった
ところで、収入が少ないと子供を産めない、育てられない、という意見がある。
これは正しくもあり、間違いでもある。
今の親世代を産んだ人たちは、どうだったか。今よりも実質所得は遙かに少なかった。
「ルートの法則」で割引きしてみても、そういうことになる。
たとえば現在36歳の親世代は1980年生まれなのでそれと、2014年と比較してみる。
一人当りのGDPの推移で見る。一人当りGDPと一人当り所得は完全には一致しないが、大体合っているので、これを使う。
出生率はこちらを使う。
第1節 近年の出生率の推移|平成25年版 少子化社会対策白書(全体版<HTML形式>) - 内閣府
前提:
一人当り実質GDPは、1980年が230万、2014年が410万。
世帯人口は、1980年が3.3人、2014年が2.5人。
出生率は、1980年が2.5人、2012年が1.4人。
計算結果:
1980年の実質生活水準:
230万×3.3人=759万。759万÷√3.3=418万
2014年の実質生活水準:
410万×2.5人=1025万。1025万÷√2.5=648万
648万ー418万=230万。(55%アップ)
親の時代よりも、実質生活水準は、418万から648万に230万、55%も増えているのだ。
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そんなはずはないだろう、という反論が当然あるだろう。
もちろん、格差の拡大などの要素は考慮せねばならないだろう。(格差が本当に拡大しているかどうかは置いておいて。) また、各世帯は当然にまちまちだ。ただし、全体として見ると、「格差拡大」は前述の「ルートの法則」である程度反映しているといえる。(「ルートの法則」反映前だと230万が410万にほぼ倍増している計算なので、「ルートの法則」で大分割り引いている。)
実は実質生活水準は、知らず知らずの内に上がっている。たとえば1980年には、スマホはもちろんガラケーさえもなかったし、PCを持っている人はまれだった。住宅、教育などなど、全ての生活水準は、大幅に上がっている。「実質5割も豊かになった」わけだが、それを当たり前のように享受しているのが、現在の我々なのだ。
言い換えれば、親世代は、今の6割程度の生活水準、という貧乏だったのに、子供を産み、育ててきたのだ。
もちろん当時は、家族が多かったから育てやすかった、という要素もある。しかし、これも「ルートの法則」で割引き済み。なので「ルートの法則」はなかなか便利なのだ。
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他人の価値観と自分の価値観、どちらに従うか
つまり、「収入が少ないので子供を産めない、育てられない」というのは、求める生活水準が上がったので、それと子供を引き換えにするのはイヤだ、ということなのだ。「求める生活水準」とは、経済学的には、「参照点」であり、有り体にいえば、「世間体」「世間並み」ということだ。
他人のことを構わずに、主観的に考えることも必要ではないだろうか。つまり、世間の価値観か、自分の主観か、が問われている、ということだ。