「あなたを採用したら当社にどんなメリットがありますか?」
って、面接で聞かれてたらどうしますか?
「配属先も未定なのに何を答えろというのか」ってなるのかなあ。
五十嵐優美さん 足成より。(むのきらんじゃないよ^^;)
(目次)
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配属先も未定なのに何を答えろというのか
確かに前提があいまいな質問は、困るものです。一般に前提条件が明確なほうが、答えが絞られます。
しかし、だからこそどう答えるかという力量が問われます。
社会には、こういう「前提が曖昧な問い」が満ちあふれているんです。
自ら、問いを深掘りして、一定の前提を仮定して答えるのもいいでしょう。もちろん、こういう問いには、たった一つの正解はありません。だからこそ、ある意味、良問なのです。
マークシート式の試験問題とは別の次元の問いなんですよね。
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なんと答えるか
私だったら、なんて答えるかな。
「私を採用したら、きっと世間さまから可愛い会社って思われますよっ」なんてね。あ、スベりました?
「私を採用したら、御社は器の広い会社と認知されます」 う~ん。
やっぱりこれかな。
「私を採用したら、20年後には社長になっているでしょう。そして御社を100倍儲かる会社にしますっ(キッパリ)」(あ、意識高い系ビッグマウス? でも大口くんは好み。その分やりきってもらいますからね。)
おそまつさまでした。
どの私がお好き? もうあなたの好きにしてくださいっ。
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人事担当は学生のなれの果て
yahoo user ff79aさんからこういうコメントをいただきました。
前提があいまいな以上に、こういう質問をしてくる人事はどういう答えが正解なのか、それすら考えていないでしょう。
そっかあ。そっかもね。
確かに、人事や面接官も人の子、いろんな人がいるよね。もちろん賢い人とは限りません。学生が年取っただけの人もいますね。
ただね。「どういう答えが正解」ということは、そもそもないんじゃない、というのが私の言いたいことなの。
そこが、学生というか生徒さんと(本来の「学生」のあるべき姿は違うはずですが)、社会人との違いなんです。
しかもね、もしも「正解」があったとして、それを答えた学生を採ったとしたら、それはつまり面接官を超えられないってことじゃないですか。新人を採るというのは、旧人を超えてほしい、という期待もあるはず。(まあ、いきなり超えることは期待していないとしてもね。)
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「正解」は流行語
ところで、今ふと気がつきましたが、「正解」という言葉が、たとえば飲食店やメニューのチョイスなどの日常の言葉になってますが、これは実は過去数十年の流行語です。
今はいい年した大人も「このラーメンにして正解」とか普通に使いますよね。だけど、昔の本には、そういう言葉は出てきません。(出てくるのもひょっとしてあるのかもしれないけどね。あったら教えてね。)
たとえば、1969年当時の学生風俗を描いた芥川賞受賞作「赤頭巾ちゃん気をつけて」でも、こういうセリフは出てきません。
画像はアマゾンより。
これがあまりに普及したので、「流行語」としては認知されていないようです。
受験戦争の弊害とまで言うつもりはありませんが、いつの頃からか「正解」という学生言葉が社会人にまでひろまっちゃったんでしょうね。(たぶん、1980年代ではないでしょうか。)
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学生のインフレが「正解」を流行語に
これは、「学生のインフレ」とも関係あるでしょう。
戦前は、「学生」といえば、1万人に1人いるかどうかというくらいの超エリート。戦後の1954年でも四年生大学への進学率は8%(男13%、女2%)。自ら答えを導きだそうと、日々考え、苦闘していたと言われています。哲学やりすぎて、日光の華厳の滝に飛び込んじゃった人もいるくらい。(もちろん、半分神話で、そうでない人もいたけどね)
ところが、現在は若者の半数が大学に進学して、「学生」になっちゃう。これが「学生のインフレ」。ではそういう学生みんなが、旧制大学の学生みたいな創造性を発揮しているか、といえばそうではない。マークシート式試験、四択問題みたいに、単一の答えをどう出すか、という訓練ばかりやってきたわけ。さらに、前世紀にはクイズ番組が大流行でした。それも正解のある知識を問うものがほとんだ。それらが「正解」という言葉を日常語にしちゃったんじゃないかな。
ちなみに、最近は試験も考える力を重視する問題に変えよう、という方向です。方向としては正しいと思います。
【早わかりQ&A】センター試験が無くなるの? 新テストは何が変わるか 今の高校生に影響は | 大学入試・奨学金情報 | 高校生新聞オンライン
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「正解」は本当に流行語なのか
この「むのきらん説」には、ネットには答えはありませんでした。(次の4つを調べても載ってない。)だから新発見かも♪ と思います。広まった当時は流行語だったのですが、今は当たり前の日本語になっている、ということではないでしょうか。
なお、紙の「流行語辞典」などでは、「正解」がどう扱われているか、未確認です。図書館に行ったとき、みてみようかな。その件「正解」を知っている方があればおしえねっ
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フェルミ推定の正解は?
Akiyoshi Nakamuraさんから、こちらを教えていただきました。いろいろ難問がありますね。
このうち、ゴールドマンサックスの問題は、実は同社オリジナルではなく、「嘘つきと正直者問題」と言われる(?)割りと古典的な問題です。大昔ベストセラーになった「頭の体操」という本にも載っていたと思います。
グーグルの “1台のスクールバスの中に、ゴルフボールは何個入るか?”ってのが、フェルミ推定ですね。いわゆる「地頭を鍛える」系問題。
これには正解があるのか。単一の正解はありません。そして、もしもたまたま答えを知っていたとしても、それでは評価されません。どれだけ、手元の情報から、論理的かつクリエイティブに答えを導くか、そこがポイントです。
フェルミ推定ではありませんが、有名な数学の問題で、「1から100までを順に足したら、いくつになるか」という問題があります。これも、こつこつ真面目に足してったり、答えを知っていたら、地頭とは関係ないわけ。それともちょっと似ていますね。
フェルミ推定には、難しい数学も計算機も不要です。+-×÷の四則ができて、ざっくり暗算できれば、目をつぶっていても答えが出せます。眠れない夜にやりだすと、面白くてますます眠れなくなりますよっ。
意外にダメなのが、数学者。数学者出身の政治家や有名人がいますが、彼らは高等数学は得意なのかもしれませんが、これができない。だから、トンデモな俗説を信じ込んじゃったりしますね。
このエントリーはBLOGOSでのコメントに対して、他のコメンターさんからのつっこみをヒントにまとめたものです。コメンターさんありがとう。
こういう「発見」がある議論って楽しいよねっ