むのきらんBlog

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誰でもできる「いい店」を作る方法~褒めるとき、苦情を言うとき~

「従業員のやる気、お金以外で高める方法」っていうエントリーがありました。

これに対して、「経営者はお金で報いなきゃだめでしょ」的な批判がありました。

確かに、お金で報いることは基本なので、それは正論。だけどね、問題は「お金以外で高めちゃだめなの」ってこと。私は、「お客こそが従業員のやる気を高められる」、って思うのです。やる気の従業員がいる店はいい店になります。

だからそれは誰にでもできる、お金がかからずみんながハッピーになれる、最高の贈り物。

 

(目次)


(c) .foto project

 

2016年05月30日 10:33

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  • 客こそがやる気のモト~従業員のやる気のもとは誰~

従業員、特に客と接する仕事をする人たちが、一日で一番長く接するのは誰でしょう?

それは、当然に客ですよね。だから、 客こそが従業員のやる気を高めることができる。

また客は、従業員のやる気をそぐこともできる。 後者の典型は、クレーマーです。言いお客様に出会ったら嬉しくなる。いやなお客には、なるべく出会いたくない、それが人間の心理です。

 

  • スタッフをほめること

いい店になってほしい、と思ったら、従業員を褒めることです。 この店やこのサービス、この商品が続いてほしい、と思ったら、従業員に感謝を述べること。 そして、もちろん、商品やサービスに適正な料金を感謝を込めて支払うこと。(口だけ褒めても、もう来ないお客様では、やっていけません。)

 

  • 過剰サービスなのか

よく、日本は過剰サービス、と批判されます。何が過剰かどうかは人にりますが、私は従業員が疲弊せず、むしろやりがいを感じて仕事ができれば、それは過剰とは言わないように思います。 労働は、時間や物理的なものだけではありません。客に心から感謝されれば、物理的に少々つらい仕事も苦ににならないもの。逆に、どんなにラクでも、だれにも評価されない仕事は、つらくなりがちです。

 

だから、店は客が育てるのです。そして、客もまた店が育てるわけです。

なのでね、お店にいったら、スタッフに感謝しようね。美味しかったら美味しかった、ありがとう。と言おうね。今日からね。

 

  • お客の声は裏方には届きにくい

ただし、そういうお客の声は、直接接客しない仕事をしている人たち。つまり裏方には直接聞こえない。たとえば皿を洗っている人とかね。だから裏方っていうわけ。

経営者の仕事は、そのような感謝のサイクルに客とバックヤードを含めた従業員を巻き込んで構築することです。

 

  • 苦情を言うとき

では、苦情を言いたいときはどうするのか。たとえば、オーダーを間違えちゃった、みたいな。

私は、実は間違えられたオーダーでも、黙って食べちゃうことがあります。空いている店で、他の客との取り違えでない場合ね。だって、美味しいお店なんだから、いいじゃないですか。それもまた、ハプニングだし、自分が選ばなかった料理が美味しかったりしてね。

でも、苦情を言うべきことはある。たとえば、料理に髪の毛が入っていたような時。それは注意しないと、また生じるかもしれないのだ。そんなことで好きな店の評価が下がってはこちらが困るわけだし。

 

  • 苦情をスマートに言おう

そういうときは、食べちゃったあとで、お金を払ってから、出がけにさりげなく「美味しかった。あ、そういえば、髪の毛が入ってましたよ。気をつけてね。」

これでいいの! 髪の毛くらい入っていても、別に命に別状ありません!

 

もちろん、気持ち悪ければ、その旨言って、変えてもらってもいいわけです。 我慢することはありません。大切なのは、それもハプニングと楽しむこと!

店だって、「こいつ、髪の毛入れてやろう」と思っているわけじゃないからね。

 

  • ブスッとしたスタッフにこそ声をかけよう 

こういうスタッフ、いますよね。忙しすぎて、配膳を上げ下げするだけでいっぱいいっぱいの人。そういう人にこそ、「忙しいねえ。お疲れさま」とか、何でもいいから声をかけよう。彼らは、客からは「遅い」とか「オーダー間違え」とかしか言われてないの。だからますますブスッとしちゃう。ほんと、面白いほどっていうと失礼だけど、反応が変わるんだから。

 

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  • ちょっと不幸な例

ついでに、ちょっと不幸な例。いいお店が閉まったら、客が残念がった。店からすれば、あなたか通えばつぶれなかったのに、というお話。

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  • 2つの側面がある

このお話を分解してみましょう。

1.客は店につぶれてほしくないなら、通ってお金を落とすべきだ。

2.店は、客に「つぶれてほしくないから通っている」ではなく、「好きだから、行くといいことあるから、行きたいから、通っちゃうんだよね。」と思わせるような経営をすべきだ。

 

これ、どうでしょう。両方とも正しいよね。

 

 今回のお話の店側と客側のギャップは、店は1番を主張し、客は2番を批判し、という不幸なキャッチボールにあるんじゃない?  店は、客商売。客商売なんだから、客に夢を見させようよ。

「この店の原価率は、固定費は、客単価は、回転率は」などと客が考えなくてもいいようにね。(そういうこと考えるのが趣味の方は、お好きにどうぞ。私も実は結構すきっ)

 

で、お客は、せっせと通って、お金を払って、感謝の言葉を残そうね。お金も言葉もどっちも不可欠なんです。

 

客がいい店をつくるってお話でした。いい客になって、スタッフと一緒に楽しもうよ。みんなハッピーになれるよっ。