政府や自治体の掲げるスローガンには、よく「活気」や「活力」っていう言葉がよくありあますよね。でも、それって、本当に求められているものなのでしょうか?
たとえば東京都。小池都知事の掲げる「セーフシティ、ダイバーシティ、スマートシティ」という3つビジョン。
その説明には、全て、「活気」「いきいき」「活躍」「活力にあふれる」といった言葉が並びます。
WEB広報東京都|東京都 広報東京都平成29年3月号より
地方自治体のビジョンやスローガンにもたいてい、「活力ある○○市」、「活気ある○○町」、「生き生き○○」、といった文言が並びます。
確かに、活気や活力は大事ではあります
繁華街やお祭りには、沢山の人が集まる。活気があるところ、人が集まり、活気がでる、ということでしょう。寂れた街は寂しいものです。お客がいない店は入りにくいもの。だから、活気を、というのはその通りでしょう。
しかし、本当に人が求めているのは、活気や活力でしょうか。
むしろ、安らぎ、心地よさ、といった、いわば静的な価値のほうが求められているのではないでしょうか。そういうものに豊かさを感じるのではないでしょうか。そこに、いわばスパイスとして「活気」「賑わい」が乗っかる、ということではないでしょうか。
暇な人は活気を求めるかもしれませんが、忙しすぎる人は、静けさを求めるのではないかしら。(だから高齢者向けには「生き生き○○」みたいな施策がよくあります。それはわからないでもありませんけどね。)
活気にあふれた日常よりも、潤いと安らぎに満ちた日常、そういうものが、あたしは大切だし、貴重だと思うなあ。
これね、たとえば、街並みについて考えて見るとどうでしょう。
看板やネオンがごちゃごちゃした、昔の香港みたいな、アジアっぽい街並み。確かに活気、ありますよね。
それとも、すっきりした北欧の街、たとえばコペンハーゲンみたいな街並み、どちらが好きですか?
あたしは、北欧の街のほうが、美しいと思うの。安らぎがある。その中で創造性が発揮される。本当の活気や活力ってそういうことじゃないでしょうか。
けばけばしい看板やネオンが無秩序に並んでいる街って、活気や活力とはちょっと違うように思うのよ。
むしろ、緑あふれる木々や水といった自然の中にこそ、本当の生命力、つまり活気が秘められていると思います。
本当に活気ある街をつくろうとしたら、まず、木を生やすことから始めるのがいいんじゃないかな。