今からおよそ20年後、2035年の車社会を覗いてみよう。
Google セルフドライビングカー - Wikipediaより(可愛い写真なので、また使いました)
(目次)
ちなみに2035年には、日本の総人口の約33%が65歳以上の高齢者に、約20%が75歳以上になっている。
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”Fun to drive”は死語になる
スポーツドライビングが、レース場のものであるように、Fun to driveは一部の人の娯楽としてのみ存続する概念になる。
今、”Fun to drive”と言っても、マニュアルトランスミッションの車に乗る人はほとんどいないのと同じだ。
「私を連れてって」の世界になる。但し連れて行ってくれるのは彼氏ではなく、AIを装備した自動車だ。
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AI化よりもネット化が先行する
全ての車がAI化していなくても大丈夫だ。だが、全ての車がネット化しているだろう。
2035年の世界市場は、部分自動運転も含めて3割、完全自動運転は1割と予測されている。
日本は、トップランナーとして走る。部分自動運転が8割、完全自度運転が6割程度は可能だ。
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ネット化されたクルマ社会
どういうことかというと、ネットワークが交通をコントロールする、ということ。
個々の車は、ある程度の自律性を備える。田舎で信号機のないところ、落石があるようなところは、個々の車のAIの判断が重要だ。ただし、彼らがよりどころとするのは、前に同じ道や、同じような道を走った仲間の車たちの「経験」なのだ。
一方、信号機などは、ネットワークがコントロールする。
いつどこの信号をどれだけ青にしておくか、赤にしておくか、をネットワークが決める。そしてそこに向かう車の速度もネットワークからの情報で行われる。
もちろんのこと、反対側を誰も通らないのに赤信号がだらだら続いたり、なんてことは当然にない。歩行者もウェアラブルな発信機を身につけているのだ。(今でも既に、みんなスマホと携帯を持ち歩いている)
その際、困りものなのは、非自動運転車や、ネット接続していない車だ。2035年には、全ての自動車のネット接続が義務づけられるだろう。もちろん、完全自動運転ではないにしても、自動ブレーキの義務づけは2020年までに行われるだろう。そうすれば、他の車はもちろん、自転車や歩行者の安全も確保できるからだ。
完全自動運転でない車は、車の流れを乱す困りものだ。事故率も高いので、保険料も高くなる。ネットワークは、これらの車を監視して、最適な制御を信号機や完全自動運転車に行うことになる。
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障害は何か
これらは夢物語か? そうではない。
これらを実現することの障害は、既得権者と大衆の不安心理だけだ。
技術的にはどうか。まだ技術的には未成熟だ。道路のセンターラインなど、見にくいところもある。そういうところをAIが読み取るのはまあ苦手。これらは解決すべき課題だ。
しかし、たとえば、ABS(ブレーキの滑り止め装置)やカーナビゲーションは当たり前になっている。これらは一昔前は夢の技術であり、一握りの高級車にオプション装備されるものだったのだ。
路面や道幅、交差点など、複雑な道路事情の問題は、前述のネットワーク化によるビッグデータの蓄積とAIによる思考が解決するだろう。
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2035年の夢を共有しよう
事故のほとんどない社会、渋滞の少ない社会、身体に障害があったり身体能力が衰えても行きたい時に行ける社会、CO2排出が少ない社会。これらの実現には、自動運転は不可欠だ。
2035年の夢を、できる限り共有したい。そうすれば、夢は実現する。